劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告が過去最多ペースで増加中

早く知りたい方へ:

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告が過去最多のペースで増加しており、専門家は基本的な感染対策の徹底を呼びかけています。

詳細:

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、「A群溶血性レンサ球菌」と呼ばれる細菌に感染することによって手足のえ死や多臓器不全などを引き起こし、急激に症状が悪化して死に至ることもある重篤な感染症です。特に30代以上の成人に多く見られます。

国立感染症研究所によると、2024年に入ってから5月5日までの国内の患者数は速報値で801人であり、これは前年同期比で2.76倍となっています。2023年の患者数は941人で、現在の統計方法が導入されて以来最多でしたが、今年はそれを上回るペースで増加しています。

患者増加の原因は明確ではありませんが、新型コロナウイルス対策の緩和後、同じ種類の細菌による咽頭炎の患者数が増加した影響が指摘されています。感染経路についても詳しくは分かっていませんが、傷口からの感染が考えられています。

国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「この細菌は多くの人が持っているが、けがをして傷口から菌が入り込むことで劇症型になり得る。けがをしたときには必ず消毒を行い、手洗いを徹底するなどの基本的な感染対策が重要だ」と述べています。

結論:

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者数が過去最多ペースで増加しており、感染予防のために手洗いや傷口の消毒など基本的な対策を徹底することが求められています。専門家の指導を守り、日常生活での感染防止に努めましょう。