旭化成、スウェーデン製薬会社の買収を発表 – 石油化学事業の縮小も進行

早く知りたい方へ:

旭化成は、医薬品事業の強化を図るため、スウェーデンの製薬会社「カリディタス」を買収すると発表しました。同時に、石油化学事業では市場環境の悪化を受けて事業縮小の方針を明らかにしています。化学メーカー各社で収益構造の転換が進んでいます。

詳細:

発表によると、旭化成はスウェーデンの製薬会社カリディタスの買収に向けて、今年7月にTOB（株式の公開買い付け）を開始する予定です。買収総額は約1700億円と見込まれています。カリディタスは腎疾患治療薬の開発に強みを持ち、特にアメリカ市場での地位が高いとされています。

旭化成は2020年にも、腎移植後に使用される免疫抑制剤を手がけるアメリカの製薬会社を買収しており、アメリカでの医薬品事業を強化してきました。

一方、旭化成は5月20日、中国の過剰生産などを背景に石油化学事業の市況が悪化していることを受けて、一部事業の売却や撤退を検討していると発表しました。これは、化学メーカー各社が収益構造の転換を進める中での動きの一環です。

例えば、レゾナック・ホールディングスは大分市のコンビナート事業を分離・独立させ、半導体事業に集中する方針を示しています。

旭化成 工藤社長のコメント: 旭化成の工藤幸四郎社長は記者会見で、「石油化学が非常に厳しい状況の中で、今回の買収は、アセットを収益性の高いものに入れ替える一環のアクションだ。ヘルスケア領域が最も成長すると期待しており、2030年を超える時期にはグループで最も重要な柱になる」と述べました。

結論:

旭化成は、医薬品事業を強化するためのカリディタスの買収と、石油化学事業の縮小を同時に進めることで、収益構造の転換を図っています。これにより、ヘルスケア領域が将来的にグループの主力事業となることが期待されます。化学メーカー各社も同様の動きを見せており、業界全体で収益性の高い事業へのシフトが進んでいます。